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(EXPO全体のレポート)]

2010.3. 7

MELL EXPO 2010
(EXPO全体のレポート)

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MELL EXPO 20103日間で約250名ものご参加をいただき、メディア表現やリテラシーに関わる、さまざまな人と人との出会いが生まれました。出展者のみなさま、そして参加者のみなさま、本当にありがとうございました。

■日時 :2010年3月5日(金)〜7日(日)
■会場 :東京大学大学院情報学環福武ホール
     地下鉄丸の内線・大江戸線[本郷三丁目駅]から徒歩6分
     地下鉄南北線[東大前駅]から徒歩8分
■主催:メル・プラッツ東京大学大学院情報学環
■協力:メディア・エクスプリモ「情報デザインによる市民芸術創出プラットフォームの構築」
     (科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業)
    ろっぽんプロジェクト「放送局と市民の協働的メディア・リテラシー活動の体系的構築」
     (東京大学&テレビ朝日 共同研究プロジェクト)
■出展者 51組
■参加者 約250名


mellexpo2010 nebula.JPG mellexpo2010 kaeru.JPG


MELL EXPOは今年で3回目。東京大学情報学環福武ホールを舞台に、三日間にわたって盛大に催されました。

MELL EXPOの中核のひとつは、魅力的なパネルセッションの数々です。35日(金)のオープニング・セッション「21世紀メディア論:日本型メディアの乗り超え方」では、シネカノン代表の李鳳宇さん、インフォバーンCEO小林弘人さんをゲストにお招きし、メル・プラッツ運営メンバーの水越伸さん(東京大学)、本橋春紀さん(放送倫理・番組向上機構)とともに、今日の日本におけるメディア環境の課題と展望を語り合いました(→レポートはこちら)。

6日(土)の午後のセッションは「オルタナティブ・メディア・プラクティス --映像交流授業の試みから」。全国各地の教育機関のあいだで映像制作を通じた交流をおこない、地域イメージとメディアの関係について考えている「ローカルの不思議」という実践教育プロジェクトが実践報告。それを受けて、文化人類学者の飯田卓さん(国立民族博物館)と学習環境デザインが専門の山内祐平さん(東京大学)を交えたディスカッションを繰り広げました。

メル・プラッツはこれまで、メディア表現やリテラシーをめぐる実践に"遊び"の要素を取り入れ、メディアに対する自明性を揺さぶることを大事にしてきており、いずれのセッションもそうした指向性にもとづいて議論が展開されていました。この催しを"シンポジウム"と言わずに、当初から万国博覧会(=EXPO)をモチーフとしている所以もここにあります。

そして、この祭りの最大の見どころは、マスメディアから市民メディア、学校教育からアートまで、国内外でメディア表現やリテラシーに関わる多様な人びとが一堂に会して、恒例の(!)ダンボール製パネルを用いたプレゼンテーションを展開することです。EXPOの初日、お馴染みの出展者にとってダンボールの扱い方は手慣れたもので、今年初めて参加する方々をサポートして下さって、みるみるうちに出展ブースが出来上がっていきました。

昨年のMELL EXPOでは、会場に集まったみなさんの関心や活動を互いに知り、交流を深めるための仕掛けとして、メディア・エクスプリモの「ケータイ・トレール!」というプログラムを導入していました。そして今年は、出展者や参加者の出会いや交流を促す「祝祭的」な場づくりをさらに深めるため、メディア・エクスプリモと協働で「ネビュラ」というシステムを構想し、これを交流の仲介役として活用する実験的なワークショップをおこないました。メディア表現やリテラシーに関する営みが各地に播種し、豊穣に芽吹いている現在、互いの交流のための場を提供するだけではなく、新しい発見や連携が生まれるような土壌を耕作する実践こそが、いまやメル・プラッツの存在意義であるといっても過言ではありません。EXPOのためにチューンナップされた「ネビュラ」は、単に出展者の個々の営みを集約し、関係性を可視化するためだけの技術ではなく、メル・プラッツという文化的営みと相互作用しながら育まれていく、いわば技術と文化の複合体といえます(この「ネビュラ」は58日の公開研究会で改めて詳しく紹介されます)。

総括セッションで、2009年度のオーガナイザーを務めた本橋春紀さんは、「ちょうど10年が経った」という感慨を述べました。日本マス・コミュニケーション学会でメディア・リテラシーに関するワークショップが催され、そしてメル・プラッツの前身であるメル・プロジェクトが立ち上がってから、今年でちょうど10年という意味です。日本民間放送連盟がメディア・リテラシーの取り組みを始めたのも同じ頃で、インターネットやケータイが大衆化したのも、この10年のあいだの出来事といえます。今日まで長年にわたって実践を積み重ねてきた「ローカルの不思議」プロジェクトを総括的に振り返るとともに、「ネビュラ」という新しい試みに踏み出したことは、いずれもこの節目の年に相応しいものだったのではないでしょうか。

そして最後に、2010年度のオーガナイザーを務める伊藤昌亮さん(愛知淑徳大学)は、これからのメル・プラッツについて、今の"星雲"のかたちを活性化させたり、中心を複数化させたりすることが必要ではないかと述べました。まずは第一に、今日の大きなメディア状況を問うこと。メディアをめぐる状況が百年に一度の転換期にあるかもしれないという、非常に大きな視座のなかで今の状況を問うことが重要です。問うからには答えなければなりませんが、それは決して容易ではありません。答えるためのヒントを提示したり、答えるための活動を確認したりすることが、メル・プラッツの役割として大きいのではないか、と伊藤さんは言います。そして第二に、具体的にどこから答えていくのかといえば、地域のリアリティ、地域のメディア実践の中にある可能性に目を向けることが、大きな問いに答えていくための活動といえるのではないでしょうか。この両面展開でメル・プラッツを活性化していきたい、と伊藤さんは締めくくりました。

なお、今年のMELL EXPOでは、湘南市民テレビ局の鈴木忠夫さんのご尽力によって、シアターでおこなわれたセッションをUstream中継しました。活字のレポートはこうしてウェブに掲載していますが、メル・プラッツの活動展開に関しては来年度以降、twitterUstream以降のメディア状況と、"広場"という比喩との折り合いのつけ方を、しっかりと考えなければならない時期にきているように思います。

飯田 豊/福山大学、メル・プラッツ運営メンバー)


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