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2009.4.30

MELL EXPO 2009 第1日目(2009年3月20日)

メディア・リテラシーに関心をもつ人、メディア・リテラシーをめぐる実践にたずさわる人たちが情報の交換や交流をおこなうための場として2008年から始まったMELL EXPO。今年も3月20日と21日の2日間、東京大学福武ホールを舞台に、約250名の参加者を得て賑やかに開催されました。その第1日目の模様は・・・・・・。

01.jpgMELL EXPO 2009は、2008年度メル・プラッツ運営メンバー代表・副代表の北村順生さん・小川明子さんの挨拶で幕を開けました。弥次喜多道中の衣装が妙に板に付いた鳥海希世子さん・阿部純さんによる「ケータイ・トレール!」(ケータイのムービー機能などを使って、MELL EXPO 2009に関係するすべての人たちのメッセージをつなぐ試み。その成果については、【こちら】をどうぞ!)の説明から、「クライシス&プラクティス」と題されたディスカッションへとオープニング・イベントが続いていきます。
02.jpgマスメディアやジャーナリズムをめぐって喧伝される危機(クライシス)を冷静に認識しつつ、それを乗り越える実践(プラクティス)の可能性を探ることを目指したこのディスカッション。登壇者である畑中哲雄さん、服部寿人さん、丹羽美之さんの話から浮かび上がってきたのは、危機を煽る言説が生み出される背景に、「最近のテレビはつまらない」、「視聴者のレベルはこんなもの」といった送り手と受け手間の「諦めと惰性の悪循環」があるのではないかということでした。こうした窮屈な状況を打開するためのひとつの実践としてテレビ番組の批評を位置づける丹羽さんの、「『危機(crisis)』の時代は『批評(critique)』が生まれるとき」という言葉は、いたずらな非難・否定ではない、本当の意味での批判の生産性を示唆するもののように思えました。

03.jpg招待トーク「マス広告とメディア表現」のゲスト澤本嘉光さんもまた、「マスメディアは死んだ」、「広告は死んだ」という否定的な常套句に対して、「死んだ」という言説を生み出しているのは「マスメディアとはこういうもの」、「広告とはこういうもの」という私たちの固定化したイメージなのではないかと問いかけます。テレビの危機が語られる状況は、実はテレビの新しい可能性を見出すチャンスかもしれないと言う澤本さん。CMプランナーとしてソフトバンクモバイルの「ホワイト家族24」など、話題性の高いテレビCMを数多く生み出してきた澤本さんの言葉だけに、マスメディアの「危機」や「死」をあたかも既定の事実であるかのように語ることには慎重でなければならないという思いを新たにしました。
MELL EXPOでは、ディスカッションやトーク&パフォーマンスといったイベントと並行し、出展者による展示がおこなわれています。出展が50近くを数えた中で特に報告者の目を惹いたのは、これもまた、自分のもっていた「メディア・リテラシー」のイメージをよい意味で揺さぶってくれた2つの展示でした。

04.jpg一つ目は「アルバムディクショナリー」(三省堂)。「本邦初『アルバム×辞書』」と銘打たれたアルバムが展示・販売されています。冊子を開くと、右側には「ぐれる」、「へなちょこ」などの見出し語と、『新明解国語辞典』によるその意味が印刷されています。左側には自分で写真が貼れるようにスペースが空いているのですが、同じ写真でも、どの見出し語の隣に貼るかでまったく違う意味を帯びて見えてくるから不思議です。「映像から読み取られる意味の文脈依存性」をこれほど手軽に、しかも楽しみながら実感させてくれる仕掛けに対し、思わず「お見事」と言いたくなりました。

05.jpg二つ目は、「ドラマ型サイエンスショー『翼を振りあげる筋肉を探せ」−MELL EXPOバージョン」(チームわだ重)。どちらかというと科学教育やサイエンス・コミュニケーションに分類されそうな内容ですが、「鳥が翼を振りあげるときに使う筋肉はどこにあるのだろう?」という普段意識されることのない問いの提示から、実際のニワトリの解剖を通じて意外な答え(正解は、胸肉の裏に隠れている「ササミ」だそうです!)を導き出していく演劇仕立てのショーは見る者を引き込んでまったく飽きさせません。「?」ではじまり「!」で終わるという構成は、メディア・リテラシー関連のワークショップを考える上でも大いに参考になるものでした。

こうして夜のパーティーも含め、盛りだくさんの内容であっという間に過ぎていったEXPO第1日目。2日目はどのような模様だったのでしょうか?報告者を代え、第2日目のレポートへと続きます。(報告者:見城武秀/メル・プラッツ運営メンバー)

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